Professor Column
教員コラム

24.白井誠人(経済学科): 学問は体力

経済学科准教授 白井 誠人

私が学生の頃、コンパの席で同席していた教官から「学問は体力」と諭されたことがありました。

もちろん、勉強は、コツコツと真面目に努力することが基本です。しっかりと基礎事項を繰り返し学習して十分に記憶し、応用することができるまで鍛錬することが重要です。

しかし、継続して勉強するためには、健康であることがとても重要です。風邪で熱がでて頭がボーとするときに、無理矢理、勉強するよりも、まず風邪を治して体調が回復してから学習に取り組んだ方が、正確に内容を理解できます。

若い人は、たいていの場合、「体力があるのは当たり前」と考えていると思います。 ところが、「体力や体調が落ちているために、実は勉強もできなくなっている」ことがあるのです。

例えば、朝から晩まで一日中、机にかじりついて勉強だけしていると、だんだん理解力や記憶力が落ちてきます。ところが勉強の合間に散歩など軽い運動を入れると、記憶力や吸収力が格段にアップします。

勉強の合間に、短時間、軽い運動をすると、その分、勉強時間が減って時間を損する感じがしますが、軽い運動をすると血流が良くなって、本の内容を理解しながら読めるようになり、結果的に効率がアップすることがあります。

勉強の合間に、運動する時間を考慮することは、3ヶ月や1年などより長い期間の学習ではもっと大切なことになります。

体を鍛えて体調を維持するためには、運動に加えて、栄養、休息のバランスも大切です。特に、知的活動のためには「熟睡できること」が非常に大切です。そして熟睡するためには運動して体を適度に疲労させることがポイントです。また、運動することで、栄養補給の効率もアップします。

忙しい合間に運動するには、エレベーターなどを使わずに階段を利用する、通学等の移動は徒歩を原則として、電車やバスの中や歯を磨く時間などに片足立ちする、等の工夫を心がけてみましょう。学習も運動も、地道な努力と様々な工夫の積み重ねが大きな成果を生みます。