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2015年 海外でフィールドスタディ(中国) 学生による履修報告5

「フィールド・スタディをC終えて」 

 今回、私は9月に行われたフィールドスタディーに参加し、実際に中国へ行き、実際の中国という国を学ぶことができた。約2週間という期間でありましたが、大変貴重な体験をすることが出来た。では、実際に私が現地で感じ、学んだことをまとめていきたい。

(湖南省張家界市の世界文化遺産:アバタ撮影地)

 まず、自然環境に対して述べていきたい。北京空港に到着し、外に出て感じたが、私がイメージしていた中国の空気とは全く違うことが分かった。よくニュースなどで取り上げられている大気汚染に関して私は一番気がかりであったが、北京の空は淀んでおらず、誰もマスクなどを付けていなかった。また、日中の気温は高いが、日が落ちてくると気温が下がり、肌寒くなる。気温の差が日本よりも大きいことが分かった。日本でも誰もがしている万里の長城では初めて中国の国としての偉大さを感じた。とても印象に残っているのが張家界国家森林公園である。ここは映画「アバター」のモデルとなったことで有名となり観光客が多く見られた。まるで石の森のように見え、高低差が激しく今まで見てきた山とは比べ物にならない程スケールが大きく圧倒された。正直私は中国に対して「自然」というイメージはほとんどなかった。今回、世界自然遺産である武陵源をじかに見ることが出来て本当に良かったと思う。ここはまたいつかゆっくり訪れてみたいと本心から感じた。

 次に衛生面について述べていきたい。特にトイレに関して私は大きな衝撃を受けた。北京や上海といった発展している地域のトイレはウォシュレットがない以外普通のトイレといった印象を受けた。しかし湖南省などの内陸部に入っていくと、便器ではなく壁があるだけ、鍵がないなど日本では考えられないことを多く目にすることがあった。また、外で売られている屋台料理などは正直食べずらいところがあった。虫がたかっていたりしていてかなり抵抗があった。しかし上海の屋台ではそんなことはなく普通にきれいに売られていたので場所や地域によって変化があることを感じた。

 次に食事面について述べていきたい。最初に滞在した北京では本場の中華ということもあり香辛料が強くあまり食べることが出来ない人も出てきた。油が多く使われておりお茶やご飯がないと厳しいと感じたが個人的にはどれもおいしく食べることが出来たのでよかった。
 次に滞在した湖南省では北京と違い辛い食べ物が多いと感じた。ガイドの方に連れて行ってもらった現地の店はどれも辛くて唇が痛くなる程の辛さだった。特に毛沢東の出身地である昭山では唐辛子を多く使った料理がほとんどであった。
 最後の上海では香辛料も北京程強くなく、日本人の好みの味に似ている味付けであったように感じた。上海のしゃぶしゃぶのレストランはサービスがとてもよかったのを覚えている。滞在中に行ったレストランのなかで唯一おしぼりを渡してくれたし、細かな気遣いが日本よりも行きとどいていた。やはり、国際化が大きく発展している上海では様々な国の人が滞在しているのが理由の一つとしてあるのかと思った。これほどまで中国国内で料理の味に違いがあり面白く感じたし、中国という国の大きさも実感した。

(上海大衆自動車工場調査訪問)

 次に経済について。北京の物価は正直滞在していた場所が北京大学のホテルだったので周りは安いコンビニや屋台が多かった。少し歩いたスーパーマーケットは特に高くもなく、少し安いと感じるほどであった。内陸部ではかなり安く夜食としてビールやビーフンなどを食べても一人30元程で済みとても驚いた。上海では逆にとても高くなったと感じた。内陸部が安かったのもあるが、日本にもあるユニクロやスターバックスも日本に比べてかなり高い値段で売られていた。国内で物価にここまで差があるのは日本では考えられないことであるのでとても印象に残っている。宋先生のお知り合いの弁護士の方や、平和堂の社長、ドイツとの合弁会社など企業見学という形でお話を聞くことができた。これは本当に価値のあることを聞くことが出来たと思う。経営の話に絡めて中国人と日本人の関係性など様々なことを私たちに説明してくださり、二度と体験できない貴重な体験を出来たことをうれしく思う。基本的に中国人は日本の文化や考えを学び、日本人は中国の文化や考えを学ばなければ何事もうまくいかないということがやはり大切なことだと感じた。

 次に学生交流について。私たちはまず、北京大学の学生と交流し学内を案内してもらった。最初、中国人という壁があったが、話し始めるとすぐ仲良くなることができた。農業大学での交流では、中国の学生の生活について多く知ることが出来た。ここでの交流で驚いたことが多くあった。それは私たちでも知らないような日本の音楽、アニメ、映画、ドラマをとても見たり聞いたりしているということだ。中でもアニメを好きな学生はとても多いと感じた。なぜ日本のアニメはこんなにも人気を得ているのか不思議に思えた。上海の交流では中国と日本の違いについて学生と話すことができてとても有意義な時間であった。
 中国の学生と交流することが出来て、過去の戦争の話をする勇気はまだなかったけれども、短時間の間に活発に会話し、笑い合えたりする関係になれたことは小さいことかもしれないけれども日中関係の理解にもつながっていくのではないかと感じた。

(上海の夜景)

(二週間のFSCの終了を迎えて)

 これまで幾つか絞って挙げてきましたが、総合的に言えることは、地域によっての格差が大きいということである。衛生面、経済、環境、文化どれも内陸部と発展地域によって大きく違っていた。わかりやすいのが物価である。内陸部は給料などが安いため物価が安い、逆に発展地域は給料が多いため物価が高くても買うのである。実際に行ったからこそはっきりと格差があることを確認することができた。都市の構造からして高層ビルが多く並んでいる上海に比べると内陸部は高層ビルなどホテル以外見られなかった。中国でも問題となっている格差社会を直に見ることが出来てよかったと思う。やはり中国という面積が大きく、都市部と農村部に分かれてしまっている国では格差が出てきてしまうのは仕方のないことかもしれない。どのようにして格差を是正していくのかというのがとても難しいがとても重要な問題になってくるだろう。

 感想としては、今回のフィールドスタディーに参加して本当によかったと思った。最初は正直結構なお金を払ってまで行く必要があるのか疑問に思っていた。しかし実際に中国へ行き、自分の考えと違うことを見たり感じたりするという経験はなかなか出来ることではない。しかも宋先生の人脈のおかげで様々な方のお話や考えを聞くこともできた。これは二度と出来ない経験だろう。情報としてただ中国について学ぶのではなく、実際に現地に行き、活動することの違いに気づけることが出来た。これは中国だけの話ではなく様々の国についても同じだと思う。また現地の学生と交流することが出来るのが本当にいいことだと思った。ただ中国に行くだけでは出来ない、このプログラムに参加しなければ出来なかったことだろう。このプログラムを通して一つの国の印象が大きく変化し、様々な好奇心が湧いた。これからはただ学ぶだけでなく、本当の意味での理解を求めていきたい。

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