Shigeo Nakao
中尾 茂夫

プロフィール

学位経済学博士

最終学歴京都大学大学院経済学研究科後期博士課程

専門分野国際経済、グローバリゼーション、金融のグローバル化

主要研究テーマアメリカ資本主義論、日本型金融システム

主要担当科目

世界経済論、アメリカ経済論、国際通貨関係論

主要な研究業績
  • 著書 単著
    『ジャパンマネーの内幕』岩波書店 (第32回エコノミスト賞) 1991.10
  • 著書 単著
    『FRB-ドルの守護神』PHP新書 2000.12
  • 著書 単著
    『トライアングル資本主義』東洋経済新報社 2006.9
  • 著書 単著
    『円は沈むのか?』春秋社 2009.12
  • 著書 単著
    『米ドルの内幕』左右社 2011.4
ゼミナール紹介
演習のテーマ

金融市場と労働市場の変容を学び、生きる知恵をさぐる

演習の内容

 金融市場と労働市場はともに激動を極め、かつて日本型と称された慣行やシステムは音を立てて、崩れているように見えます。労働市場では終身雇用も年功序列も黄昏となり、労働力の40%弱が非正規労働力となりました。一方、金融市場でも銀行を中心とした間接金融は勢いを失くし、ファンド資本主義と言われるような資本市場を中心とした活動に主軸を移しています。今や、東京証券市場の現物取引でも、大阪取引所の先物取引でも、圧倒的に投資の主役は海外投資家です。かつての生保・銀行・信託といった日本の機関投資家の存在は、明らかに後退しています。

 国際ポジションでも、かつてGDP世界2位だった日本経済は、2010年に中国に抜かれ、年々、その格差は離れるばかり、現在は3倍あまりの格差をつけられています。トップの米国に迫りつつある中国の経済力の勢いに比べ、劣化し続ける日本の存在感の後退は明らかです。東南アジアでも、かつて貿易でも投資でも最大の取引相手だった日本は、明らかに落ちています。時価総額で見た企業ランキングでも、バブル期には圧倒的に上位を席巻していた日本企業は米中の多国籍企業に水を開けられ、今や、時代の先端を走るIT企業はほとんど育っておらず、相変わらず、自動車や電機といったかつての製造業が相変わらず中心です。産業構造の転換に失敗した姿が見えます。はたして、外国人観光客のインバウンドに活路を見出す観光立国化で生きて行けるでしょうか。

 こうした劣化傾向に、トドメを刺すかのように、少子高齢化の波が止まらず、生産力人口の減少から、移民政策への前向きの対応、高齢者の定年延長、介護士・保育士の増大といった諸政策で対応できるのかどうか、事態の深刻さは変わっていません。地方では都市部への人口流出が止まらず、財政事情の逼迫が続く自治体は、綱渡りの運営を強いられています。都市や地方の別なく、生活苦に喘ぐ人々の不安や悲鳴が聞こえてきそうです。

 こうした厳しい経済事情から脱出する知恵は何なのか。低迷するこの国で、いかにして生きて行くべきなのか。2020年度は、一緒に考える学生を募集します。ここで10数年続けてきたわたしのゼミ募集は、これで最後です。この大学を去る前に、最後を飾るに相応しいやる気のある学生、こういった問題を一緒に考えてみたい学生を求めます。2019年3月に出版した拙著『日本が外資に喰われる』(ちくま新書)は、「失われた30年」に関するわたしの総括書です。この拙著の主張に共感できる学生を求めます。人材の素養に求められるのは詰め込んだ知識の量ではなく、旺盛な知的好奇心なのです。

学生によるゼミナール紹介