Field Study of
Economics Department

経済学科のフィールドスタディ

2013年度 <中国FS> 学生報告5

私は中国に滞在しいろいろな角度から観察し、学び、とても刺激を受けた11日間だった。

まずは、やっぱり日本との文化や街の違いが気になった。水道水が普通に飲めない、トイレの環境、人の性格など様々あった。しかし中国はとても広いため格差が大きくどこの街でもこれがあてはまるわけではなかった。トイレの環境を例にあげると、北京ではホテルや綺麗なデパートなどは問題なく使用できたとしても、観光地などは汚く、内モンゴルでは水が流れないことも多々あった。上海ではどこでも問題なく使用できた。一部都心などでは改善してるとしても全地域では改善できていない状況だった。このようなことがいくつもあり、ひとつの国とはとても言い難いと感じた。

北京では北京大学生と交流し、日中関係悪化などの壁はなく親しくできたことが何よりうれしかった。それに加え、日本の大学生は恵まれている環境にいるのだと思った。「日本の学生のことどう思う?」と聞いたとき「恵まれている」と答えてくれた。確かに勉強しやすい環境で不自由なく学生生活を送れていると感じた。それに対し中国の学生は受験がこれからの人生にかかってくるし、家庭によっては学費なども払えないということもあるので日本とはおかれている立場が違うと感じた。悪く言えば日本の学生は怠けていると自分で思ったし、自分はこのままでいいのかと疑問を抱いた。北京大学の学生との交流は自分に刺激を与えてくれた。

日本銀行に訪問した時は小池さんの話を聞いてわからないことが多々あり、もっと経済のしくみについて学ばなければならないと思ったが、今後の日中関係・中国経済について詳しく説明してもらい学べた部分もあった。

内モンゴルでは砂漠でのラクダ乗り・乗馬・ポウに宿泊・キャンプファイア・星の観察など普段の生活ではなかなかできない経験をした。とても貴重な体験だった。

上海では、まず北京や内モンゴルに比べて過ごしやすいと感じた。食事なども食べやすいと思った。それもまた中国国内での違いだと思った。上海ではNHK支局長の奥谷さんの話を聞いた。私も中国語・中国に興味があったので奥谷さんの話を聞けてとてもよかったと思った。中国語を学ぶためには積極的に海外の人と交流し言語・文化を学び様々なことを吸収することが必要だと思った。自分から動かなければ何も始まらないので、今からでも進めていきたいと感じた。

また、普通では見られないNHKの放送室・カメラを見させていただいたり、取材の仕方を教えていただきとても感動し、今後の就職活動の参考にしたいと思った。

日本のメディアは中国の悪いニュースを流すことがよくあり、その影響で変な先入観を持っていた。しかし、奥谷さんがおっしゃっていた通り中国は日本以上の深刻な問題を抱えていて、人口が多く、複雑な国なので自分が思っている固定概念を捨て、中国という1つの国を理解していこうと思った。

上海タワーやテレビ塔がある浦東新区に行ったとき、大きな衝撃を受けた。私が想像していたよりはるかにきれいな街で人が描いた絵かと思うぐらい素晴らしい景色だった。

11日間の学習を通してまず、本当に想像以上に中国は経済発展していて、世界経済には必要な国で重要な存在だということを感じた。自動車工場(北京現代)・乳製品工場(蒙乳)・日本銀行・NHKで様々な話を聞き、今中国が世界でどのような位置にいるのかがよくわかった。そして日中関係が良好になればいいと思った。

今まで日本にとじこもり生活していたが、海外に飛び出し外国の人と交流する楽しさもしった。万里の長城にいたとき中国の学生が話しかけてくれて一緒に下山したり、写真を撮ったり、北京大学の学生とお互いの国について話したり、内モンゴルでは中国の家族の人たちと一緒に植林・キャンプファイアをしたり言葉が通じなくてもジェスチャーなどでお互い分かり合えたことがとてもうれしく、楽しかった。やっぱり人と接することが自分は好きなのだなと改めて感じることができた。

そして先生も含め11人で毎日過ごせたことが幸せだった。お互いの考えを夜に言い合ったり、夢を語ったり、周りのみんなからも刺激を受けた。11日間で仲が深まったのは確かで最終日はまだみんなといたいという気持ちがあった。私はこのプロジェクトの班長を務め、実際班長として何もできたことがなく私でよかったのだろうかと思ったが、みんなから感謝の連絡が来た時はとてもうれしくて、やった甲斐があったと感じた。先生が言っていたとおり間違いなくあのメンバーで、11日間中国で体験したことが私にとって最高の財産になった。

長いようで短かったフィールドスタディーだったが、毎日がとても濃い日々だった。