今回のプログラムで私は大変貴重な体験が出来た。アメリカという世界最先端の国での企業訪問、地元の緑に囲まれた名門校Hope Collegeでの滞在、シカゴ観光など、挙げたらきりがないほどたくさんの経験をした。
まず一番に思ったことは、アメリカはとてもスマートな国だということ。枠にとらわれない柔軟な発想が国を発展させ続けていると感じた。例えばHerman Millerという家具の会社では、会議室というものが存在しない。なぜなら話し合いはどこでも出来るからだそうだ。言われてみれば、かしこまった部屋は作る必要はない。また、GENTEXという半導体を扱う企業では、会社員の健康を保つことに重点を置いている。社内にジムを設置し、簡単な健康診断所を設けているのだ。会社だけでなく従業員を大事にする姿勢は、日本でも真似ている企業もあるが、まだまだ追いついてはいない。さらに現地で働く中島先生によれば、アメリカでは時間通りに始まり時間通りに終わることが当たり前で、日本の残業などが信じられないそうだ。その代わり時間内にはきっちりと遂行するというポリシーらしい。
なるほどアメリカという国はいかに合理的で進んでいる国か。アメリカに行って現地で人々の習慣、価値観、文化を見聞きしたことによって日本との差異をはっきりと受け取ることができた。もちろん日本人の細やかな気遣い、繊細な感覚はやはりアメリカにはない良さであり、誇れる文化であると感じた。色彩感覚、味覚は明らかに日本の方が上品(こう感じている時点ですでに日本人であるが)だ。
差異といえば食べ物は大きく違った。元々食べることは好きで、好き嫌いも特に無いが、甘すぎるお菓子や油たっぷりの揚げ物はさすがに受け付けなかった。自分で量を調整することに失敗したのもあるかもしれないが。
色彩感覚でいえば、化粧品やお菓子のパッケージなどが非常にカラフルで種類豊富だったことが印象的である。将来は化粧品に携わる仕事に就きたいので、日本では見ることが出来ない化粧品売り場やブランドを間近で見ることが出来て大変感動した。ファンデーションの色一つとっても、アメリカにはヨーロッパ系、アジア系、アフリカ系など様々な肌色の方が住んでいるので少なくとも10種類以上は存在した。アメリカでは当たり前の光景が私には凄く新鮮に感じられた。また美容部員もアフリカ系の女性の方が多く、原色のカラーライナーや派手な色のリップでも似合う顔立ちが羨ましいと感じた。さらに驚いたことに、シカゴのデパート内の資生堂の売り場の美容部員がゲイの方だったのだ。日本も自由とはいえさすがにその光景は見たことがない。アメリカはどこまで自由なのだろう、と思った。最近同性婚が認められたこともあり、やはり差別撤廃に力を注いでいるのかとも感じ取れる出来事だった。
これから大学では、引き続きマーケティングや経済について学んでいくつもりだが、アメリカ・日本両国の長所を取り入れながら自分の勉強に生かしたい。せっかく現地で見聞きしたからには就職で生かさない手はないし、顧客の目線も従業員のことも大事にしている会社を選んで調べていこうと思う。日本人は、自分も含めてまだ「偏見」「差別意識」が強いと感じたので、日本を客観的に見ることができてよかった。
現地で培ったリスニング力も衰えないよう英語には触れ続けていこうと思う。