Small-class Education in Business Administration
経営学科の少人数教育

 近年の大学教育の現場では、かつてなく少人数教育が流行しています。きめ細かな教育を通じて、学生の“能動的な学び(アクティブ・ラーニング)”を引き出すことが重視されるようになったからです。こうした大学教育全体の流れのなかにあって、経営学科ではその先の少人数教育の姿をみつめ、地に足のついた自己成長を促します。

特色1 1年次からの段階的に
展開する少人数教育
 経営学科の少人数教育は、専門科目を効果的・効率的に習得するための手段の1つとして位置づけられています。大学教育の基本は大講義ですが、その学びを自らの力に変えるには、“能動的な学びの姿勢”が絶えず引き出されていく必要があります。そのため1年生からスタートする専門科目の習得の進展にあわせ、アクティブ・ラーニングを意識した少人数教育科目が併設されています。
特色2 エルダー教育の活用
(ワークショップ1)
 教員から与えられるものが大学教育の全てではありません。経営学科の上級生が経験した実際の学びを聞くことで、具体的な大学生活のビジョンを得ることができます。1年生を対象とするワークショップ1では、大学生活に慣れた6月頃に「上級生の話を聴く会」を開催し、就職活動を終えたばかりの4年生との交流の場を設けています。

特色3 教員間の連携
(ワークショップ1/データ処理論)
 少人数教育を重視すると、多くの学生に均質な教育を提供することが難しくなります。担当教員の個性が強く反映されるためです。専門教育が本格化していない1年生の段階では、テキストの共通化などを通して、複数の教員が集団で学生全体を見守る体制を築き、教員の違いから生じる “学び”に対するモチベーションの低下を防ぎます。
特色4 大講義科目との強い補完性
(ワークショップ2)
 2年生以上になると、大講義を通じて専門領域に関する知識が飛躍的に増えます。しかしその具体的な活用を知らなければ、”宝の持ち腐れ”になってしまいます。そこで大講義で学んだ理論やフレームワークを実際に活用してみる実践的講義を、各領域のスペシャリストである専任教員が行います。
 4つの特色をもった経営学科独自の教育手法を通じて、主体的に考える場と自ら学ぶことの大切さを知る機会が継続的に提供され、経営学科の学生が“良識あるビジネス・パーソン”になるための素地がつくられていきます。

ワークショップ1(初年次教育科目)

 入学当初の段階で、大学生活を送るうえで本当に必要なことを知ることで、充実した学生生活を送るための準備をします。グループワークを通じて、高校までの学びと大学での学びの違いを感じるとともに、経営学領域の中核的科目の1つであるミクロ組織論の大切さを実体験します。そしてプレゼンテーション・スキルの向上や、グローバル・マインドを含む広い視野で社会を見る目を養うなど、コミュニケーション能力全般の底上げをはかります。さらに上級生との対話を通じて各自具体的な大学生活のビジョンも描いていきます。

データ処理論(1年生以上対象科目)

 統計データの活用が、ますます身近なものになってきました。現実の企業活動では、様々なデータが活用されており、経営を学ぶうえでも“データの扱い”に慣れる必要があります。データ処理論では、専門科目で高度なテクニックや表計算ソフトを使いこなすための準備として、実際のデータの使われ方や統計学の基本的な考え方を実習形式で学びます。


ワークショップ2(2年生以上対象科目)

 2年生を迎えた段階で、経営学・マーケティング(商学)・会計学の入門科目の習得をおえます。入門科目をバランスよく学んだ結果として、 “どの領域を重点的に学びたいのか”ということも見え始めます。そこで特定の領域を選び、大講義で学んだ内容を実践的に使いこなす体験をします。これはゼミナール(3年生以上対象)に向けた準備にもなります。

演習A(3年生以上対象科目)

 経営学科における学びの集大成は、卒業論文の執筆になります。大講義と少人数講義を効果的に活用した専門領域に関する学びをふまえ、各領域のスペシャリストである専任教員のもとで、3年生になると特定のテーマを深堀りしていきます(ゼミナール)。そして2年間をかけて卒業論文を仕上げます。