Faculty of Economics
公開ゼミ(田原慎介ゼミ)2026 報告No.2

2026年7月3日

【ゲスト講演者】
 株式会社ダスキン 
 法務・コンプライアンス部門
 木本 昌士 様

【ゼミの概要】
 2026年6月4日のゼミでは、株式会社ダスキンから木本昌士さん、角田さんをお招きし、「大企業におけるアントレプレナーシップ」をテーマにお話を伺いました。ダスキンは清掃サービスやミスタードーナツを中心に、フランチャイズ方式で事業を展開している企業です。ミスタードーナツの認知が強まっていることや、大阪万博・東京オリンピックでの清掃マネジメントなど、多様な事業活動が紹介されました。
 ゼミでは、ダスキンが新規事業創出に積極的に取り組んでいる点が強調されました。社内ビジネスコンテストを実施し、「社会課題の解決」と「自社の強みの活用」を軸に事業案を募集していることが説明されました。成年後見制度のビジネス化や、犬のセルフエントリー店舗、訪問型ビューティーサービスなど が例として挙げられ、人材育成や部門間の壁の解消、収益面への波及効果が示されました。
 また、フランチャイズビジネスの難しさについても語られました。加盟店に事業を導入した後は事業撤退が容易ではないため、導入段階から十分な対話を重ね、慎重に進める必要があるということです。外資系企業が短期間で撤退判断を下すのに対し、「情」があるため簡単には切れないという文化的な違いも示されました。
 新規事業の選定基準としては、直営店でのテストを経てノウハウをパッケージ化できること、「楽して稼げる事業」には手を出さないこと、そして社会に役立つ事業であることが挙げられました。既存事業が強い企業ではアントレプレナーシップが不要な場合もありますが、ダスキンの事業は社会課題の解決を目的として事業化しているという説明がありました。
 最後に、お越しくださったダスキンの皆さまから「迷うならやってみる」「経験は必ず役に立つ」「会社名で選ばず、入った会社で勝負する」「チャンスの波に乗る準備をする」といったメッセージが学生に向けて伝えられました。

【感想】
 今回のゼミを通して、ダスキンが単なる清掃・飲食企業ではなく、社会課題の解決を軸に事業を展開している企業であることを理解することができました。特に、フランチャイズという仕組みの中で加盟店を「運命共同体」と捉え、撤退の際にも時間をかけて対話を重ねる姿勢は、日本企業らしい責任感の強さを感じさせました。また、社内ビジネスコンテストを通じて挑戦する文化を育てようとしている点は、大企業でもアントレプレナーシップが求められることを示しており、印象に残りました。
 さらに、「楽して稼げる事業には手を出さない」「社会に役立つ事業でなければ意味がない」という言葉から、企業理念が事業判断の軸として強く根付いていることが伝わってきました。木本さんの「会社名で選ばず、入った会社で勝負する」という言葉は、これから就職活動を迎える自分にとって大きな示唆となりました。挑戦する姿勢を持ち続けることの重要性を改めて感じるゼミでした。