Social Activities
社会参加実習 2022年度学生による中間報告 1

学生と実習先の基本情報

  • 2年生女子
  • 実習団体名:社会福祉法人開く会 横浜市下倉田地域ケアプラザ
  1. 実習先を選んだ理由

     私は高校生の頃から教会に通っていて、教会は7割が60代以上のお年寄りである。実習先での会話が私自身を成長させること、教会での奉仕活動に実習経験が活きることを期待しつつ、何より私がお年寄りと話すことが好きだったため、この実習先にした。

  2. 目標

     価値観や世代の異なるお年寄りや職員の方々とのコミュニケーションにより、自分の視野を広げて、積極的に行動したい。

実習の感想文

  1. 実習をして楽しかった点

     私は中間報告までの実習日程が全て月曜日だったため、同じ利用者、職員、ボランティアの方々とお会いすることが多かった。利用者の方々から「〇〇さん、また来てくれたんだね。」や「顔覚えているよ。」との言葉をもらえたことで、自分が実習生として快く受け入れられたことを実感し、とても嬉しかった。中でも、職員の方から「この実習先を選んでくれてありがとう。」とのとても思いやりに満ちた言葉をいただいた。この環境に身を置けるということにどれほどの価値があるかを知り、実習ができることに喜ばしく感謝する思いが芽生えた。私は母方の祖母が週に数回デイサービスに通っているが、住んでいるところが茨城県と遠いため、そのデイサービスに実際に足を運んだ経験はなかった。そのため、自分の祖母がどのような生活を送っているかあまり想像がつかなかったが、今回実習生としてデイサービスに関わることで、デイサービスがこんなにも明るく、楽しく、憩いの場でありつつも、特別な緊張感もなく、ささやかな日常の延長線上に存在していること。また、その日常を守るために職員やボランティアの方々が真剣な思いで仕事に臨んでいること。その努力があるからこそ、あんなにもやさしくあたたかい空間が形成されているのだと実感できたことはとても貴重な経験だった。そして、その経験が家族の生きている環境に目を向けるきっかけにもなったことが、大変光栄であった。

  2. 実習をしてつらかった点

     実習を始めるにあたって、下倉田地域ケアプラザ責任者の西隈所長とオリエンテーションをした際に、実習生としての立ち振る舞いについて説明を受けた。体をさわって歩行の補助をしたり、食べたり飲んだりの手伝いをするには、特別な介護資格を必要としているため、実習生は関わることはできない。そのため、実習するにあたって必要な視点は価値観の違いを吸収し、今後社会に出た時にどのように生かそうとするか、また社会貢献をするか考える思いであると説明を受けた。それを受けて、頭では理解していたつもりだったが、実際に実習が始まると自分はあくまでも外部の人間で、職員の方々が忙しくされているときに特段なにもすることがないことを度々感じざるを得ず、胸に迫るものがあった。私たちの主な実習内容はお年寄りの話し相手をすることだったが、世代や価値観の異なるお年寄りと自分の共通の話題を見つけ出すことはやはり困難であった。天気や下倉田地域ケアプラザのことに話すのが定番の話題だったが、それだけではどうしても飽きがでてしまうし、長続きもしないし、つまらない。また同時に、利用者の方々との距離感を掴むのが困難だった。おしゃべりが好きな方でも、私の話し相手ばかりさせてしまっていては、施設の利用目的の一つである同じ世代の利用者の方々とのお話する機会を奪うことにもなりかねないし、疲れさせてしまう可能性もある。塗り絵、折り紙、新聞を読む、お昼寝、テレビ鑑賞などそれぞれしたいことをしている中で、割って入り話しかけて中断させてしまうのに気後れしてしまい、実習生という異物が利用者の皆様のストレスにならないように細心の注意を払わなければならなかった上、立ち回り方に戸惑いを感じた場面があった。

  3. 目標に対して実際にできた点、できなかった点

     同じ利用者の方々とお会いする機会が多かったため、幸いにして施設に慣れるのもその場に溶け込むのもそれほどの困難ではなかった。先ほど述べたような難しさはありつつも、全体的に積極的に様々な話をすることができた。加えて、実習という貴重な機会を無駄にすることなく、確実に私の視野を広げられたと確信している。しかしながら、時間が限られていることと皆様がお忙しかったこともあいまって、職員とボランティアの方々とお話しする機会に乏しかった。ボランティアの方は午前中しかいらっしゃらないため、特に時間を作ることが難しく、コミュニケーションをとる場をうまく作ることができなかった。また、レクリエーションのお手伝いをする際も、慣れない中で裏方に徹していたことから、謙遜するのではなくもう少し前に出てそこに集う皆で楽しむ姿勢を持ってもよかったのではないかと反省した。

  4. 残りの実習で何に挑戦したいか

     私は残り2回の実習では、利用者の方々のみならず、職員やボランティアの方々とも積極的に話を聞きに行きたい。この仕事にかける思いや、この施設のこと、利用者の方々のみならず、介護業界の現状について話をする機会を設けるために邁進したい。職員やボランティアの方々は基本的にとてもお忙しく仕事をされているが、今までも私に話しかけて下さることはこまごまと沢山あったため、その時間を利用して、コミュニケーションをとることを目標としたい。そして最終的には、利用者と職員とボランティアの方々の顔と名前が一致できるようにしたい。利用者の方々に顔と名前を覚えてもらうことは難しいかもしれないが、よく私の話し相手をして下さった方々のみならず、残り少ない時間だからこそせめて私の記憶の中だけでもとどめておきたい。そうして、何よりも、しがない実習生を受け入れて下さった下倉田地域ケアプラザに関わる全ての人々に感謝を忘れずに、周りをよく見ながら、はつらつと自分のできることをしながら、実習先に貢献していき、限りある貴重な実習を、より身になる確固としたものにしていきたい。