Social Activities
社会参加実習 2026年度学生による最終報告 1

学生と実習先の基本情報

  • 4年生男子
  • NPO法人子育てネットワークゆめ 戸塚区地域子育て支援拠点 とっとの芽

実習の感想文

  1. 動機シートに記入した目標

    乳幼児と保護者に対して自発的なコミュニケーションを取る能力を身に付けたい。また、周囲に求められている事を能動的に見つけ、職員の方々と協力できる行動力を身に付けたい。

  2. 動機シートの目標に対する自分の達成度

    達成度としては、前半で子どもたちとの関わりに慣れ、後半で保護者や職員の方々とのコミュニケーションにも広げられた点で、一定程度達成できたと考える。前半は、子どもの表情や遊び方を見ながら、自分から声をかけ、興味に合わせて遊びを工夫した。一方、中間報告では、保護者との関わりが挨拶程度にとどまっていることを課題としていた。後半は、複数回会った保護者の方に、子どもの好きな遊びや苦手そうなことを共有したり、人見知りをあまりしない様子への驚きを話したりした。また職員の方々にも、子どもの様子や、保護者が子どもの下の名前に「さん」を付けて呼ぶことが多いといった気づきを伝えた。きっかけを探し、自分から話しかけることで、目標に近づけたと感じている。

  3. 自分なりに考えたり、学んだり、発見した点

    実習を通して、子どもへの声かけは、言葉の内容だけでなく、声色や表情によっても伝わり方が大きく変わるのだと学んだ。印象に残っているのは、ある保護者の方が、8か月の子どもが物を投げてしまう場面について話していたことである。その方は、注意する時と褒める時の声色が近いと、子どもが注意されていることに気づかず、遊びの延長として受け取ってしまうことがあると話していた。私はその話から、子どもに関わる時には、優しく接するだけでなく、場面に応じて伝え方に違いをつけることも必要だと考えた。実際の活動でも、褒める時は明るく反応し、危ないことやしてはいけないことを伝える時は、同じテンションではなく、少し落ち着いた声や表情で伝えるよう意識した。怒るためではなく、安全や関わり方を伝えるために、メリハリをつけることが大切だと発見した。

  4. 充実感や達成感を味わった点、自分なりに役に立てたと思う点

    充実感を味わったのは、子どもが帰る際に、保護者の方からお礼の言葉をいただいた時である。自分ではその場でできることをしているだけのつもりだったが、「ありがとう」と声をかけていただくことで、自分の関わりが少しでも保護者の方や子どもの支えになっていたのだと実感できた。特に最終日に、何度も会ったことのある子について、保護者の方から「家でも一緒に遊ぶことを楽しみにしていた」と聞いたことは、とても嬉しかった。短い実習期間でも、その子にとって安心して関われる相手になれていたのだと感じ、大きな達成感があった。

  5. 実習最終日に担当者から受け取ったコメント

    35時間お疲れ様でした。連休明けの土曜ということで、今までにない利用者数だった日に初日を迎えたにも関わらず、自然に子どもたちの中に入り遊んでいた姿に、スタッフみんな感心していました。また、人見知りがある子どもや、やんちゃな子どもが本当に自然に膝に座っていたり抱っこされたりしていて、ママたちも驚いていました。帰り道のお見送りや、今度いつ来るの?と聞かれていたり、ファンがついていましたね。小さい赤ちゃんに対しての苦手意識はその後どうでしょうか。泣かれたり大変なことがあったと思います。パパやママも初めての子育てで何をやっても泣き止まない状況に神経をすり減らしています。そんな時。自分たち以外の大人が子どもを見てくれるということが、どれだけ嬉しいことか。ぜひ今後も街で見かけた親子に笑いかけてあげてくださいね。ありがとうございました。

  6. 実習最終日に担当者から受け取ったコメントに対する意見

    温かいコメントをいただき、自分では気づいていなかった実習中の姿を振り返ることができた。実習前は赤ちゃんへの苦手意識があり、実際に泣かれてしまった時には無力感も覚えた。しかし、その経験を通して、保護者の方が日々感じている不安や緊張を少し理解できた。また、子どもを見守ることは、子どものためだけでなく、保護者の方の安心にもつながるのだと学んだ。今後も、親子を見かけた時に温かく見守る姿勢を大切にしたい。

岩波新書『ボランティア』を読んでの感想文と実習体験を踏まえた意見

  1. 第1章と第2章を読んだ感想

    私はこれまで、無償ボランティアの意義を、余裕のある側が弱い立場の人を助けることだと考えていた。しかし、その理解は一方向的すぎると感じた。ボランティアは誰かを救うだけでなく、自分も社会の相互依存の中にいることを自覚し、他者との関係を結び直す行為である。とっとの芽でも、子どもや周囲の人との関わりを通じて、自分自身が役割や達成感を得ており、賃金とは別の自己実現があった。一方で、諸般の負担があったのも事実である。だからこそ、ボランティアの意義は、助ける側と助けられる側を固定せず、学び合う関係を生む点と、それを続けられる仕組みを考える点にあると感じた。

  2. 選んだ1つのテーマ

    自発性パラドックスとは、ボランティアが自由な活動であるからこそ、かえって責任や負担の線引きが難しくなることだと考える。強制されていない以上、どこまで関わるか、どれほど時間や労力をかけるかは本人に委ねられる。しかし、その自由さは参加者の温度差にもつながる。積極的に関わる人もいれば、できる範囲で参加する人もいる。その違いを単なる意識の差として責めると、ボランティアは一部の熱心な人だけのものになってしまう。だからこそ、自発性を尊重するためには、全員に同じ熱量を求めるのではなく、それぞれの事情に応じた関わり方を認める必要がある。

  3. 実習活動を踏まえての、選んだ1つのテーマに対する意見

    実習活動を踏まえると、自発性パラドックスはより身近な問題として感じられた。実習では、子どもの興味に合わせて遊びを広げたり、少しずつ受け入れてもらえたりする中で、自分にもこの場でできる役割があると実感した。これは、金銭では得られない自己実現や学びだった。一方で、移動時間や交通費、体力的な負担はあった。また、保護者との関わり方や安全管理など、自分で判断しなければならない場面もあった。参加者の温度差は単なるやる気の差ではなく、負担や不安の違いから生まれるものだ。ボランティアの意義は、異なる関わり方を持つ人たちが、それでも同じ場を支え合える点にあると考える。