Professors' Column
教員コラム

09.森田正隆(経営学科): 12月23日は森田ゼミの日

経営学科准教授 森田 正隆

 みなさんは、12月23日と言えば、何を連想しますか?やはり、その日が祝日の天皇誕生日であるということでしょうか。それとも、クリスマス・イブの前日という印象の方が強いでしょうか。
 森田ゼミの現役生や卒業生にとっては、この日は別の意味で特別な日です。毎年この日に「森田ゼミ研究成果発表会」が開催されるからです。この日、祝日で静まり返った白金キャンパスに多くの来場者が集まってきます。現役のゼミ生、ゼミの卒業生はもちろん、学生たちのご家族もいらっしゃいます。ゼミを始めたころは小さな会場でこぢんまりと開催していたのですが、今では100名近い参加者となったため大教室を使用しなければ入りきれない規模になりました。
 当日、3年生はグループ研究の成果発表をおこないます。森田ゼミの研究テーマである「情報技術とマーケティング戦略」のもと、3年生は5名程度で一つのチームを作って研究活動をおこなっています。例年15名くらい在籍者がいるので、全部で3チームくらいになるでしょうか。彼らの活動は基本的にゼミの正規の授業時間以外に自主的に集まっておこなわれます。よって、グループ研究の活動は別名「サブゼミ」とも呼ばれています。普段はめったに登壇することのない大教室の教壇に立ち、大スクリーンに投影したスライドを用いて、マイクを使ってプレゼンテーションをおこないます。15分の発表の後、会場からは多くの質問やコメントが寄せられるので、それに対してメンバーが臨機応変に回答や対応をしていくことになります。
 4年生は、3年時のグループ研究で得た知識や経験をベースにして、4月から約8ヶ月間各自が取り組んできた卒論研究の発表をおこないます。グループ研究と違い、一人きりで研究してきた成果を発表するため、緊張も大きいですが、それゆえ無事に発表を終えた時の喜びも大きいようです。
 会場では、入ゼミが内定している2年生も先輩たちの発表を聞いています。1年後、そして2年後に自分たちがどれくらいのレベルにまで成長していなければならないのかを実感する場になります。2年生の多くが、先輩と自分たちとの間で力の差が大きいことを体感し、「自分たちも上級生のようになりたい」と口にするようになります。そして、今後のゼミ活動への期待と決意を新たにしているようです。
 また、この日のために多くの卒業生が日本中から駆けつけてくれます。年末の忙しい中、そしてクリスマス・イブの前日でもある貴重な休日に、時間を作って後輩たちの発表を聞きにやってきてくれるのです。彼ら卒業生たちも、現役生の姿を見て、自分たちがゼミにいた時のことを思い出すそうです。そして、その当時の思いや決意が改めて脳裏に浮かび、「初心を忘れずにこれからもがんばろう」と自然と思えるようになってくると言ってくれます。 そして、発表会を始めた頃には予想もしなかったのは、現役生のご両親をはじめ家族のみなさんがたくさん来てくださることです。中には北海道から飛行機に乗って、わざわざこの発表会のためだけに上京してくださったお母様もいらっしゃいました。また、ご両親だけでなく兄弟姉妹、あるいは赤ちゃんまで一緒ににぎやかにお越し下さったご家族もいらっしゃいました。
 ご両親の中には、子どもの発表を聞いて涙ぐんで喜んでくださる方もたくさんいらっしゃいます。「大学で何を勉強しているのか一言も教えてくれなかったのだが、今日ここで堂々と発表している姿を見て安心しました」とお礼を言って下さったお父様もいらっしゃいました。
 教育者として教えられることはわずかであり、できることの多くは「学びの場」づくりだと思います。グループ研究や卒論研究の活動の枠組みを作り、学生が互いに切磋琢磨し合える自主的な勉強や研究の場を提供し、そして発表の場を作ることで意欲を高めるとともに満足感や達成感も得てもらう。やがて、このゼミが先輩や後輩をつなぐ「生涯学習のコミュニティ」となっていってくれれば、指導教員としては本望です。
 今年も12月23日がやってきます。現役生の緊張感も高まって来ました。卒業生たちから「参加します!」といううれしい連絡も次々に入ってきています。一年に一度の「森田ゼミの日」を迎えることを楽しみに、そして発表会の夜に懐かしい卒業生たちと酒を酌み交わすことを夢見て、忙しい師走を過ごしていこうと考えています。