Faculty of Economics
経営学特講(明学卒業生たちのリーダーシップ)講演報告No.2

2024年11月12日

2024年10月22日火曜日に、1998年に法学部法学科を卒業された藁谷嘉知氏(株式会社東北エンタープライズ専務取締役)に「ビジネスで培ったこと、気づいたこと」という内容でご講演いただきました。受講生によるご講演内容の紹介と感想は、以下の通りです。

〈要約〉
 株式会社東北エンタープライズは、プラント技術サービスやロボティクス事業など他にも幅広い形で事業を展開しています。東日本大震災の影響による福島第一原子力発電所の事故をきっかけにSpotというロボットを採用しました。理由はビジネスをしたいからロボットを探したのではなく、被害にあった区域内で作業を行っている作業員たちの被ばくを逓減するためでした。近年では、医療現場や原子力発電所の被害区域での作業時に使用する保護服の生産も行っています。その他にも幾つかの事業を行っており、高齢者でもできる仕事を提供し、人々が働ける環境の提供もしています。
 また、東北エンタープライズはボストン・ダイナミクストと唯一国内でサポート関係にあります。Spotの販売から購入後の支援、サポートサービスなどを行っています。Spotは世界で見ると幅広い場で活躍がみられており、近年だと立てこもりや危険物所持の事件解決に貢献していたり、不審物の回収を行ったりしています。日本での販売台数は100台と世界から見るとまだまだ発展途上にあるということが現状ですが、Spotを活用した取り組みは今後も増えていくことが予想され、今後もっと多くのSpotが出回ると思われます。Spotは四足歩行のロボットですが、現在すでに二足歩行のロボットの開発も進められています。近年のロボット開発においては、人の動きをどのように真似るかではなく、ロボットならではの動きという部分を重視した開発が行われています。今後数年間でロボットを私生活の中で見かけることが増えていくと思われます。

〈感想〉
 藁谷さんの話をうかがって、ロボット開発は自分が思っている以上に進んでいると感じました。自分の生活圏では馴染みがありませんでしたが、ロボットが現実で活用されている場面がかなり増えていることにも驚きました。あと数年で更に身近なところでの活用が増えていくと仰っていたので、とても楽しみです。講義内でストーリーを大切にした方が良いと仰っていましたことが印象的でした。ストーリーを大切にすると人から共感を得られたり、人を説得する力があったりするとうかがったので、自分も人に伝えるときは、それを意識してみようと思いました。また、学生のうちに力を入れたことを作ることが大切であると仰っていました。どのようなことでもいいので、自分がやったと胸を張っていえることを見つけるために、これからの残りの時間でなにができるのかを考えるきっかけとなりました。
 また、藁谷さんのリーダーとしての活躍が印象に残っています。1つの事業だけでなく、自分たちの周りの環境にあるものの中から、世の中にとって必要とされるものは何かを考え、それらをビジネスに転換する力が必要であることを学びました。私は将来経営者になるかどうかはわかりませんが、リーダーとなった場合には、臨機応変な対応を心掛けるとともに、最適解を導き出し、周りを引っ張ることができたら良いなと思います。