Faculty of Economics
経営学特講(明学卒業生たちのリーダーシップ)2025 講演報告No.3

2025年11月6日

【ゲスト講演者】
 株式会社クフウシヤ
 代表取締役
 大西 威一郎 様(2001年経済学部経営学科卒)

【講義の概要】
 2025年10月28日 火曜日に、株式会社クフウシヤの代表取締役である大西威一郎さんにお越しいただき、ご講演いただきました。
 株式会社クフウシヤ(以下、クフウシヤ)は、「ものづくり×アイデア」を掲げ、これまでにない新しいロボットの開発に挑戦する技術開発企業です。神奈川県相模原市に本社を構え、福島県南相馬市にも事業拠点を設け、全国規模でロボティクス分野の研究・開発を行っています。
 クフウシヤは、お掃除ロボットの開発からスタートしました。初期には階段を昇降できるロボットの開発にも挑戦し、特許も取得しましたが、安全性の課題から実用化は断念しました。その後、自社開発による四脚ロボットの開発に成功し、現在は鉄道会社などでも活用されています。さらに、自律移動ロボットの試作や受託開発にも力を入れており、顧客の要望に合わせたロボットを設計・製作し、現場に届ける取り組みを行っています。
 また、2025年4月13日から10月13日まで大阪・大阪湾岸「夢洲」を会場に開催された大阪・関西万博において、クフウシヤは“未来社会のデザイン”をテーマとする本博覧会の技術パートナー、出展協力企業として参画を検討・実行しました。万博会場では、スーツケース型ロボットによる日本科学未来館の実証実験に協力企業として参画し、来場者の移動や多様性体験をサポートしました。これらの取り組みを通じて、人とロボットが共存する未来社会の実現可能性を提示しました。
 本日の講演では、開発の裏側や挑戦を続ける姿勢についてもお話しいただき、参加者にとって大変貴重な学びの機会となりました。ものづくりに対する情熱と、失敗を恐れず挑戦を重ねる姿勢が印象的でした。大西威一郎さんのご講演を通して、技術開発の現場で求められる創意工夫と、社会に役立つロボットづくりへの思いを深く学ぶことができました。

【講義の感想】
 今回の講義で、ロボットがいかに進歩しているのかを感じることができました。特に、クフウシヤが手がける四脚ロボットやスーツケース型ロボットなど、身近な生活や社会インフラを支えるための技術開発の話はとても興味深く、ロボットが私たちの暮らしの中でどのように役立っているのかを具体的に理解することができました。
 また、階段昇降ロボットの開発に挑戦し、特許まで取得したものの、安全性の課題から実用化を断念したというお話から、開発の難しさや「失敗の中にも次の挑戦のヒントがある」という姿勢を学びました。大西威一郎さんが語られていた「どんな人にも、必ず数回、夢をつかむチャンスがまわってくる」という言葉がとても印象に残りました。
 今回の講義を通じて、ロボット開発の現場で求められる創意工夫や粘り強さ、そして社会の課題を解決したいという強い思いに触れることができました。今後は私自身も、課題に直面したときに諦めるのではなく、発想を転換して工夫し続ける姿勢を大切にしたいと感じました。