Hiroshi Obata
尾畑 裕 教授

プロフィール

学位博士(商学)

最終学歴一橋大学大学院商学研究科博士課程

専門分野管理会計

主要研究テーマ原価計算の原価理論的基礎付け、IoTのコストマネジメントへの活用

社会的活動

  • 公認会計士試験試験委員(2005~2010年)
  • 総務省電気通信(事業)紛争処理委員会委員(2007~2013年)
  • 防衛省防衛調達審議会委員(2011~2021年)
主要担当科目

管理会計論 ゼミナールなど

所属学会・役職
  • 日本会計研究学会理事(2012~2018年、2021~2024年)
  • 日本原価計算研究学会元会長(2015~2018年)
  • 日本管理会計学会理事(2020~2023年)
  • 日本組織会計学会理事(2021年~)
  • 日本簿記学会
  • 国際会計研究学会
  • 経営関連学会協議会理事(2018~2024年)
主要な研究業績
ゼミナール紹介
演習のテーマ

原価計算、管理会計

演習の内容

 本ゼミは、2022年度から始まった新しいゼミです。第1期生はひとりしかいませんでしたが、2期生である今年度の3年生は8人です。
 
 本ゼミでは、原価計算と管理会計をテーマとします。みなさんは、原価計算と聞いてどういうイメージを持ちますか。資格試験や検定試験の試験科目を連想されるかもしれません。常に電卓をたたいているイメージがあるかもしれません。しかし、実務で行われている原価計算は、実に多様で、創意工夫が要求されます。決まったパターンを適用するだけでは終わりません。しかも原価計算システムは、まだまだ新しい発展のある領域です。近年では工場の設備の稼働をセンサーで把握し、1品1品の実績作業時間を把握してそれを蓄積してIoTデータをコストマネジメントに役立てる試みもなされています。このゼミでは、実務における多様な原価計算システムに対応できるように、3年次の春学期はPythonを使ってオブジェクト指向の考えかたで原価計算をささえる様々な概念をクラス(型)として定義してそれを組み合わせて計算のロジックを組み立てていく演習を行います。電卓片手に計算を行う原価計算のイメージとはずいぶんと違います。みなさんの想像力をフルに発揮していただきます。
 
 Pythonは入門時のハードルが低いプログラミング言語です。初歩から丁寧に指導しますのでプログラミングははじめてというひとでも大丈夫です。3年次の秋学期からは、身に着けたPythonのスキルを応用して、経営組織のなかでおこる現象をエージェント・ベース・モデルのシミュレーションで再現する実験を行いたいと思います。エージェント・ベース・モデルのシミュレーションは、ミクロレベルでの簡単なルールがエージェント同士あるいは環境とのインターラクションを通じてマクロ的にどのようなパターンを出現させるかを観察する手法です。参考にするプログラムはこちらで用意します。管理会計の問題をシミュレーション使って解明していく研究は、まだまだ新しい研究分野ですが、非常におもしろい領域です。みなさんにもシミュレーションで組織現象や管理会計問題を分析する楽しみを味わっていただきたいと思います。
 
 4年次には、卒業論文に向けて個別テーマでの報告をしていただきます。3年次でせっかくPythonを習得するので、Pythonを活かした研究テーマを推奨します。それにより非常にオリジナリティのある管理会計研究に取り組むことができると思います。今年度から夏合宿を行うことにしました。来年度も夏合宿を行う予定です。

学生によるゼミナール紹介