Faculty of Economics
経営学特講(明学卒業生たちのリーダーシップ)2026 講演報告No.2

2026年10月28日

【ゲスト講演者】
 日本BS放送株式会社 代表取締役会長
 株式会社エフエム東京 社外取締役
 齋藤 知久 様

【講義の概要】
 今回の講義では、日本BS放送株式会社の代表取締役会長であり、株式会社エフエム東京の社外取締役を務めていらっしゃる齋藤知久さんから、留学や海外でのお仕事を通して得られた経験や、リーダーシップの考え方についてお話を伺った。齋藤さんは、豊富な経験を持ちながらも、飾ることなく語られる姿が印象的だった。また、人とのつながりを大切にすることや、良い関係を築ける企業が成長していくことについても話されていた。
 アメリカへの留学経験からは、相手の文化や価値観を知ることで、人との距離感が大きく変わるということを学んだと話されていた。自分にとって当たり前のことでも、相手にとってはそうではない場合があるため、相手の立場や背景を理解しようとする姿勢が重要である。また、これまでの出会いやこれからの出会いの中で、忖度せずに一生付き合える仲間をつくってほしいとも話されていた。
 次に、齋藤さんは、小西六写真工業株式会社(現コニカミノルタ株式会社)での海外営業の経験を通して、シンガポールでのプロジェクト運営やベトナム市場の開拓についてお話しくださった。シンガポールでプロジェクトリーダーを務めた際には、オーナーとの情報共有や現地の状況を把握すること、組織全体にとって最適な方法を考えることが重要だったという。特に、仕事の進捗を報告する際には、完了したかどうかだけでなく、どこまで進んでいるのか、何に苦労しているのかといった途中経過を丁寧に伝えることが大切だと強調されていた。
ベトナム市場の開拓については、シンガポール航空の路線図の変化からビジネスチャンスを見つけ出すという考え方が興味深かった。特に、ベトナムのような成長市場では、信頼できるデータが十分に得られない場合もあるため、市場を開拓する際には、机上の情報だけで判断せず、実際に現地へ足を運び、自分の目で市場を確かめることが重要だと話されていた。さらに、海外では自分にとっての常識が通用するとは限らず、未来を正確に予測することも難しいため、商品やサービスを実際に市場に届け、反応を見ながら改善していくことが大切だと話されていた。
 さらに、リーダーシップとは、単に自分が先頭に立って指示を出すことではなく、自分がいなくても動ける組織をつくり、人を育てることだと説明された。求められるリーダーシップのあり方は、組織が置かれた状況や部下の能力によって異なり、支援を重視すべき場合もあれば、具体的な指示が必要な場合もある。そのため、他人のリーダーシップをそのまま真似するのではなく、相手や状況に応じて対応することが大切だという。
 講義のまとめでは、行動力とコミュニケーション能力が重要なキーワードとして挙げられた。多くのことに挑戦し、思い切って新しい環境に飛び込むことで、新たな出会いや世界が広がるという。また、本気で取り組んだ経験は、成功しても失敗しても自分の糧になるため、好きだと思ったことには情熱を持って精いっぱい取り組んでほしいとも話されていた。
 質疑応答では、異なる文化を持つ人と関わる際には、考え方が違うことを前提としながらも、共通点を見つけることが相手を理解するきっかけになると説明された。また、未来を予測することだけに頼るのではなく、変化に対応していく経営の考え方や、部下に仕事を任せる際には、PDCAを意識しながら途中経過を確認し、フィードバックを行うことの重要性についても語られた。さらに、成長する人の特徴として、耳の痛いアドバイスも素直に受け止め、物事に前向きに取り組む姿勢に加え、コミュニケーション能力と行動力を持つことが挙げられた。

【講義の感想】
 今回の講義を通して、私は、行動することと、周囲と積極的にコミュニケーションを取ることの大切さを学んだ。特に印象に残ったのは、進捗報告についてのお話である。私は、物事が完成してから報告しようとする傾向があり、自分の中で納得できていない段階では、相談したり質問したりすることをためらってしまうことがある。しかし、齋藤さんのお話を聞いて、完成してから報告するのではなく、途中経過の報告や今何に悩んでいるのかを適宜共有することが重要だと学んだ。
 また、リーダーシップや後輩の育成についても考えさせられた。私は大学3年生で、部活動では後輩をまとめたり、仕事を任せたりする立場になっている。しかし、自分たちの代が仕事を抱えすぎてしまい、後輩が十分に成長できていないと感じることがある。以前、私が後輩に仕事を任せた際も、十分にコミュニケーションを取らなかったことで、うまく進まなかった経験がある。そのため、私自身が進捗を確認しながら必要な助言やフィードバックを行い、後輩が自分で考えて行動できるよう、任せる仕事の範囲を少しずつ広げていきたい。
 さらに、シンガポールやベトナムでの経験についてのお話からは、自分の常識や価値観だけで物事を判断せず、相手の文化や現地の状況を理解することの重要性を学んだ。特に、事前の情報だけで判断するのではなく、実際に現地へ行って市場を自分の目で確かめ、反応を見ながら改善していくという考え方が印象に残った。これは海外ビジネスに限らず、部活動や自分自身の挑戦にも通じることであり、最初から正解を求めるのではなく、まず行動して経験から学ぶ姿勢を大切にしたい。
 今回の講義を通して、私は、リーダーシップを身につけるためにも、自分自身が成長するためにも、行動力とコミュニケーション能力が欠かせないと感じた。また、齋藤さんの海外での経験を聞き、自分とは異なる文化や価値観に触れることで、視野を広げていくことも大切だと学んだ。今後は失敗を恐れずに行動するとともに、その第一歩として、ゲスト講義ではどんな小さな疑問でも一つは質問することを目標に、自分から積極的に学ぶ姿勢を身につけていきたい。