Junichi Tanaka
田中 淳一 専任講師

プロフィール

学位博士(経済学)

最終学歴早稲田大学大学院経済学研究科博士課程

専門分野ヨーロッパ経済史

主要研究テーマ19世紀ライン河輸送史、ライン河流域経済史

主要担当科目

西洋経済史、現代西洋経済史、入門経済史、ゼミナール

所属学会・役職
  • 社会経済史学会
  • 政治経済学・経済史学会
  • 交通史学会
  • 世界史研究会
  • ドイツ資本主義研究会(第2次)
主要な研究業績
    • 『近代ライン河輸送史研究:河川物流システムの再編過程』(博士論文、早稲田大学大学院経済学研究科)、2020年2月
    • 「一九世紀前半のライン河輸送における曳船:畜力曳船の展開とその意義」『交通史研究』第95号、2019年9月
    • 「19世紀前半ライン下流における協定運航:技術進歩と体制変動」『社会経済史学』第80巻2号、2014年8月
ゼミナール紹介
演習のテーマ

歴史的にみるヨーロッパ社会経済の展開

演習の内容

 このゼミでは、近現代を中心としたヨーロッパ諸地域の社会経済の展開について、地域史やグローバルな観点も含めた歴史的視野から検討していきます。

 ヨーロッパはもともとユーラシア大陸の辺境にありながら、ギリシャ・ローマの哲学や技術、キリスト教の信仰・文化などを背景にしつつ、大航海時代、工業化などを経て近代に至ると、一地域を超えグローバルな世界システムの中核を占める勢力として台頭しました。最近こそアメリカやロシア、そして日本、中国、その他のアジア地域も台頭し、その政治的・経済的な影響力の大きさは以前ほど意識されなくなりまし
たが、ヨーロッパもEU(欧州連合)を形成するなどして、今でも一定の地位を保っています。

 それだけではありません。近現代に発展した思想・技術・学問の源は多くヨーロッパにあり、現在でも近代ヨーロッパの作り出した価値規範は世界の経済、文化、社会の在り方に大きな影響を与えています。そのように考えたとき、ヨーロッパの社会経済の歴史を学ぶことは現在の我々の価値観の根本を問い直していくことにもつながるはずです。

 このゼミでは以上のような問題認識を背景に、現代に至るヨーロッパの社会経済の歴史的展開を学びます。さらにそのうえで個々の関心のあるテーマを設定して分析や考察に取り組み、その成果を卒業論文の形にまとめることを目標とします。具体的には以下のような形で授業を進行する予定です。

 3年次は、ヨーロッパの経済史や地域史、グローバルヒストリーなどについていくつかの基礎文献を受講者全員で講読していきます。講読する文献は受講者の関心や要望も考慮して決定し、受講者は文献のレジュメ作成やプレゼンテーションを通じて、ヨーロッパの社会経済の歴史に関する基礎知識を固めつつ、卒業論文のテーマを決定していくことになります。論文のテーマについては、ヨーロッパに関係するものであれば時代や範囲はある程度自由に設定することができます。

 4年次は、前年に決定したテーマに従って具体的に卒業論文を執筆することが目標となります。授業については毎回各自の卒業論文の研究の進展について報告してもらい、それについて議論していきます。

 ゼミの授業は学生も主体的に参加して共に作り上げていくものです。歴史と調べることが好きで意欲ある方の参加を期待しています。

学生によるゼミナール紹介